パピヨンがかかりやすい病気

1. 膝蓋骨脱臼
   ＜膝蓋骨がはずれる＞
   膝蓋骨とは、膝のお皿のこと。特に小型犬では先天的にこの骨を支える腱膜がゆるかったり、この骨が収まる溝が浅かったりして、膝蓋骨が所定の位置からはずれることがある。急な方向転換や無理なひねり運動が直接の原因。急性の脱臼では、疼痛があり、痛いほうの脚をつかなくなったり、ひどいときには膝が腫れてくる。再発性の脱臼になると痛みは薄れてくるが、膝蓋骨は、簡単に外れたり元に戻ったりして跛行（びっこをひいて歩く）も間欠的になる。また慢性化するとほとんど傷みはなく、膝蓋骨も外れたままで固定するが、軽い跛行が続く。
   　
   【グレード�T】　膝関節はほとんど正常。関節を伸展して指で押すことによって簡単に脱臼が起こり、緩めると元に戻る。
   【グレード�U】　膝関節を屈曲した場合に脱臼が起こり、指で押すか関節を伸ばさないともとの位置に戻らない。
   【グレード�V】　膝関節は脱臼したままの状態が多く、患肢を伸展すると時折元に戻ることがある。
   【グレード�W】　膝蓋骨は脱臼したままで、外科的処置を施さなければ整復できない状態。

2. 眼瞼内反症
   ＜まぶたが内側にめくれている＞
   まぶたが内側に曲がり込んだ状態になること。まつ毛が角膜や結膜を刺激して、角膜炎や結膜炎をひきおこすことがあります。目をこすったりする行為が増えたり、涙が流れる場合は要注意です。

3. 難産
   ＜出産時が難しい＞
   体が小さい小型犬は、出産のときに難産になることがあります。妊娠期間は６３日より短いことが多く、新生児は通常、４〜５頭です。陣痛が始まっって時間がたっても子供が生まれないようであれば、すぐに獣医師に連絡しましょう。

4. 小脳発育不全
   ＜ふらつきがある＞
   先天的に小脳の発育が障害され、生まれた直後から平衡感覚がなくなりふらふらするなどの運動失調が起こります。

5. 乳歯遺残
   ＜歯並びが悪くなる＞
   乳歯と永久歯が入れ代わるときに乳歯が残ってしまい、歯並びが悪くなることがあります。歯石や歯肉炎の原因になるので、早めに治療する必要があります。

6. 低血糖症
   ＜元気がなくなる＞
   急に元気がなくなって倒れたり、ひどくなるとてんかんの様な発作を起こす。成犬でもなる場合もありますが、生後３ヶ月までの子犬におこりやすい。緊急時に家庭で対応するために、砂糖水や蜂蜜をすぐに飲ませられるように用意しておくと安心。（ただし甘いものの常食は逆効果なので、与え過ぎには注意が必要）。

※※書いてある病気は他の犬種より発生頻度が高いと報告されていると言うことであり、起こる確率が高いというわけではありません。
※※気になる症状がある場合は、かかりつけの獣医師にすぐご相談下さい。